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日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
貯蔵タンパク質組成が変異した米胚乳細胞におけるプロラミン蓄積型プロテインボディの微細構造
門間 美千子齋藤 昌義千国 幸一斎尾 恭子
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2000 年 47 巻 12 号 p. 938-942

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抄録

米胚乳部の主要な貯蔵タンパク質であるプロラミンは層状の堅固な構造をもつ難消化性のプロテインボディに蓄積される.本研究では,胚乳に含まれる貯蔵タンパク質の組成や,そのうちのプロラミンのポリペプチド組成がPB-Iの構造に与える影響を検討するために,貯蔵タンパク質組成の異なる変異体米の胚乳組織の微細構造を透過型電子顕微鏡で観察した.プロラミン組成の変異体のうち,esp-1(13kd-b減少変異体)の組織構造およびPB-Iの構造は,これまでに報告した通常の米とほぼ同様であった.しかし,esp-3(13kd-a,10kd減少変異体)では,PB-Iの層状構造の密度が低く,輪郭が不明瞭であり,Esp-4(10kd,16kdプロラミン増加変異体)では,高密度の層状構造をもったPB-Iが数多く観察された.これらPB-I構造の差異は,プロラミン構成ポリペプチドに含まれるシステイン含量の変動によると推定された.一方,グルテリン増加変異体の胚乳細胞では,PB-Iと見られる顆粒は,小型で層状構造もほとんど観察されず,グルテリンの増加が,PB-Iの形成に影響を与えることが示唆された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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