Wikipedia:表記ガイド
この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインです。多くの利用者が基本的に同意しており、従うことが推奨されますが、方針ではありません。必要に応じて編集することは可能ですが、大きな変更を加える場合は、先にノートページで提案してください。 |
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このページのノートに、このページに関する提案があります。(2024年8月) 提案の要約:「仮名書き」セクションに追加すべきと考える例の提案(協議中) |
このページのノートに、このページに関する提案があります。(2024年9月) 提案の要約:アポストロフィについての記載の追加提案 |
この表記ガイドでは、ウィキペディアの記事における表記方法の慣習を説明します。ウィキペディア全体の表記の一貫性を目指し、コンピュータ上で作られる文書であることに配慮しながら、印刷物の慣行に近づける意図があります。記事執筆の際は、できるかぎりこのガイドラインに従うことが推奨されます。
ただし、このガイドラインはすべての記事に絶対に適用しなければならないものではありません。ここに掲載されている表記法と異なる表記を分野ごと、記事ごとに使用する場合、関連分野のウィキポータル・ウィキプロジェクトや、個別記事のノートで合意形成をし、合意事項をわかりやすい形でまとめておくとよいでしょう。
また、このガイドラインに従おうとすることが、あなたの記事執筆の妨げになるときには、無理に従う必要はありません。そのうちに表記法に詳しい利用者が体裁を整えてくれるでしょう。
なお、この文書はあくまで記事空間での記述に関するものであり、「ノートページ」などでの意見・コメントには及びません(なるべく相手に伝わりやすい表記法を心がけてください)。
本ガイドの表記法の変更や、未掲載の表記法を提案する時には、このページのノートで提案してください。
文体
改行
- 段落をあらためるときは1行空きとします(改行キーを2回続けて打ちます)。
- 段落の途中には、改行を入れないでください。改行した箇所に余分な空白が入ることがあります。
使用可能な文字
- Unicodeで規定されている文字に必要なものがあれば、すべて使うことができます。ただし、JIS X 0201のラテン文字類、JIS X 0213、IBM拡張漢字のいずれにも規定されていない文字は、できるだけ使わないようにしてください。
- ラテン文字(英字)やアラビア数字など、JIS X 0201のラテン文字類(いわゆる半角英数字)で規定されているものはそれを用います。そうでない漢字・平仮名・片仮名などは、JIS X 0213に規定されているもの(いわゆる全角文字)があればそれを用います。ただし、異体字については固有名詞などを除きJIS X 0208に規定されているものを優先してください。JIS X 0201の仮名文字類(いわゆる半角カナ)は引用など特殊な場合を除き使わないでください。
- 空白は欧文間隔(いわゆる半角空白)“ ”(SPACE U+0020) を用います。和字間隔(いわゆる全角空白)“ ”(IDEOGRAPHIC SPACE U+3000) はウィキペディアの記事本文・記事名・カテゴリのソートキーでは使用しないでください。これは、ウェブブラウザによっては全角の場合に適切に割り付けが行われないからです。
- 以下に該当する文字は閲覧される環境により正常に表示できない場合がありますので、なるべく使用しないか、使用する場合は代替表記を併記することが望ましいです。これらの特殊文字に関してはHelp:特殊文字もご覧ください。
- Unicodeの基本多言語面 (BMP) 外(U+10000 以降)に配置されている文字
- 例:「𠮷」U+20BB7(「吉」の上半分が「土」)
- Unicodeに合成済み文字として定義されておらず、結合文字列でしか表記できない文字
- 例:「カ゚」U+30AB・U+309A(JIS X 0213では1-5-87)
- CJK互換漢字ブロックにあるCJK統合漢字を除くCJK互換漢字
- 例:「塚」U+FA10(「塚」の異体字)
- Unicodeの基本多言語面 (BMP) 外(U+10000 以降)に配置されている文字
- 絵文字をアイコンとして使う場合は、画像による表示を検討してください。
- 私用領域の文字(いわゆる外字)は使用しないでください。私用領域の文字は閲覧者が自由に割り当て可能なため、ご自分の閲覧・編集環境以外では正常に表示できない可能性がきわめて高いです。
項目名
- 項目名についての詳細は、記事名の付け方に従います。
- 一般の項目名で使用できる文字は、
- JIS X 0201のラテン文字類。
- 次に該当する文字を除くJIS X 0212・JIS X 0213・IBM拡張文字のいずれかで規定されている文字。
- 罫線素片
- 私用領域の文字(いわゆる外字)
- Unicodeの基本多言語面外に配置されている文字
- Unicodeに合成済み文字として定義されておらず、結合文字列でしか表記できない文字(例:「カ゚」U+30AB・U+309A、JIS X 0213では1-5-87)
- CJK互換漢字ブロックにあるCJK統合漢字12文字(﨎﨏﨑﨓﨔﨟﨡﨣﨤﨧﨨﨩)以外のCJK互換漢字
- 例外的に、文字(漢字を除く)そのものについての記事では、システム上の使用可能文字の制限内の文字が使用できます。
- 項目名については数値文字参照や実体参照を用いないでください。これは現行のウィキペディアのシステムソフトウェア (MediaWiki) で動作に問題があるからです。本文中やほかの言語のウィキペディアへのリンクには使うことができます。
具体例による説明
- 以下の文字は、いわゆる半角を用います。
- ラテン文字
- T H E Q U I C K B R O W N F ...
- t h e q u i c k b r o w n f ...
- アラビア数字
- 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- 記号
- ! " , . # $ % & ' ( ) * + - / : ; < = > ? @ [ ] ^ _ ` { | }
- 以下の文字は、いわゆる全角を用います。
- 片仮名
- タ ヰ ニ イ デ ナ ツ ム ワ レ ヲ ゾ ……
- 漢字
- 天 地 玄 黄 宇 宙 洪 荒 ……
- 記号
- 、 。 ・ 「 」 ゛ ゜ 〜 ……
- 「〜」に似た形の別の文字があります。詳しくは波ダッシュを参照してください。
- 空白には、いわゆる半角の空白「 」を用います。いわゆる全角の空白「 」は使わないでください。
- いわゆる半角の記号のうちには、場合によっては全角形も用いるという合意のある文字があります。
- = については、人名などを参照してください。
- 全角形も用いるかどうかについて、意見が分かれている文字もあります。
- 単位記号については単位を、数学記号については数式を参照してください。
漢字
- 漢字の字体は、原則として常用漢字表に従います。
- 常用漢字の字体がJIS X 0208に含まれない「頰」「剝」には、JIS X 0208に含まれている常用漢字の許容字体である「頬」「剥」が使用できます。
- 常用漢字表にないものは、JIS X 0208の範囲で平成12年12月に国語審議会が答申した「表外漢字字体表」に示された印刷標準字体に従います。これには、康熙字典に近い字体が多くあります。
- 簡易慣用字体(印刷標準字体ではないが使用頻度が高いもの)や拡張新字体(常用漢字表の字形に合わせたもの)は避けてください。ただし、印刷標準字体がJIS X 0208にないものは、簡易慣用字体や拡張新字体を使うことを推奨します。
- 例(括弧内が印刷標準字体で、括弧外が簡易慣用字体や拡張新字体):飛騨(驒)、醤(醬)油
- 2000年(平成12年)12月時点で「人名用漢字別表」に字体が掲載されていた漢字は「表外漢字字体表」に示されていないので、現在の「人名用漢字別表」にある字体に従います。複数の字体がある場合は簡略なほうの字体を用います。
- 例(括弧外の字体を用います):亘(亙)、凜(凛)、尭(堯)、遥(遙)
- ただし、歴史的文書(著作権が切れているもの)の引用と固有名詞の表記に際しては、常用漢字以外の漢字を使用してよい場合があります。
- 固有名詞を用いた記事名については、一般に、通称・俗称・略称などによる記事名を作成することができます。旧字によるものと常用漢字によるものと2通りの表記が可能である場合については、どちらを正式名称とすべきかについてはまだ議論がまとまっていません(芥川竜之介と芥川龍之介、東京帝国大学と東京帝國大學など)。正式名称や正確な表記にあたる固有名詞を用いる場合には、より広く流布していると考えられる通称や異表記などを併記します(詳しい事情に通じていない利用者の検索・理解の便宜を図るため)。本文中の記述においては、通称表記であれ、正式名称表記であれ、統一することが望ましい表記です。
- 歴史的文書を引用する場合には、新字体による翻訳だけを掲載してもよく、原文に忠実な形で掲載しても構いません。正確さとわかりやすさを両立させるため、併記が最も望まれます。
- 注意:フォントによって字形が変わることがあります。例えば、「祇」の偏(左側の部分)は、Windows XPに付属するMS ゴシックでは「ネ」の字形に、Windows Vistaに付属するMS ゴシックでは「示」の字形となります。
- 専門用語の漢字・平仮名・片仮名のどれを使うかはその分野の慣習に従います。
- 例:禾本科 → イネ科、弗素 → フッ素、射手座 → いて座
- 以下のような代名詞は、漢字書きとします。
- 私・君・彼・彼女・我々・彼ら
仮名
- ヰ・ヱ・ヲ・ヂ・ヅ・小さい「ヮ」は、使いません。
- 固有名詞の場合、引用の場合、歴史的表記を説明する場合には、使用できます。
- 小さい「ヶ」は、使わないでください。
- 例:1ヶ月 → 1か月・1箇月
- 固有名詞の場合は、使用できますが、以下に注意してください。
- 地名では正式表記が「ケ」の場合も「ヶ」の場合もあります。
- 例:鎌ケ谷市、茅ヶ崎市
- 正式表記が揺れる場合があります。
- 例:雑司が谷(地名)・雑司ヶ谷霊園・雑司谷中学校
- 例:七里ヶ浜(地名)・七里ヶ浜駅・七里ガ浜(住所表示)
- 地名では正式表記が「ケ」の場合も「ヶ」の場合もあります。
仮名遣い・送り仮名
- 仮名遣いは昭和61年7月内閣告示の「現代仮名遣い」に従います。
- 送り仮名は昭和48年6月内閣告示(平成22年11月一部改正)の「送り仮名の付け方」に従います。
- 歴史的文書(著作権が切れているもの)の引用では、原文どおりでも構いません。
交ぜ書き
- 熟語は、常用漢字外を仮名とする「熟語の交ぜ書き(まぜがき)」にせず、読みがなを全角括弧内に併記します。
- 例:でん粉 → 澱粉(でんぷん)またはデンプン
- #項目名で規定されていない漢字は、交ぜ書きとし、正しい文字がどのような字体か説明します。
仮名書き
以下の例は、仮名書きとします。
例 | 仮名 | 用例または備考 | |
---|---|---|---|
助詞 | 位 | くらい/ぐらい | これ位 → これぐらい |
頃 | ころ/ごろ | 1時頃 → 1時ごろ | |
等 | など | カエル・イモリ等 → カエル・イモリなど | |
程 | ほど | 1時間程 → 1時間ほど | |
迄 | まで | 京都迄 → 京都まで | |
助動詞 (国文法) | 様だ | ようだ | する様だ → するようだ |
補助動詞 | 下さい | ください | 書いて下さい → 書いてください |
接続詞 | 或いは | あるいは | |
及び | および | 法令など公用文から引用する場合は漢字で書きます。 | |
且つ | かつ | ||
更に | さらに | ||
併し・然し | しかし | ||
然も | しかも | ||
即ち | すなわち | ||
反れとも | それとも | ||
但し | ただし | ||
因みに | ちなみに | 百科事典では原則として使いません。 | |
所で | ところで | ||
尚 | なお | ||
並びに | ならびに | 法令など公用文から引用する場合は漢字で書きます。 | |
又は | または | 法令など公用文から引用する場合は漢字で書きます。 | |
若しくは | もしくは | 法令など公用文から引用する場合は漢字で書きます。 | |
故に | ゆえに | ||
連体詞 | 彼の | あの・かの | |
或る | ある | ||
所謂 | いわゆる | ||
其の | その | ||
代名詞 | 貴方 | あなた | |
俺 | おれ | ||
其れ | それ | ||
疑問詞 | 何時 | いつ | |
何処 | どこ | ||
何故 | なぜ | ||
感動詞(間投詞) | 有り難う | ありがとう | |
嗚呼 | ああ | ||
形式名詞のうち、本来の意味がほとんど失われているもの | 内 | うち | その内 → そのうち |
事 | こと | 重要な事 → 重要なこと | |
為 | ため | 儲けの為に → 儲けのために | |
風 | ふう | こういう風に →こういうふうに | |
訳 | わけ | そのような訳で → そのようなわけで | |
動詞のうち、本来の意味がほとんど失われているもの | 言う | いう | 書いたと言う → 書いたという |
持つ | もつ | 意味を持つ → 意味をもつ | |
補助用言のうち、本来の意味がほとんど失われているもの | 居る | いる | 交差して居る → 交差している |
良い | よい | 使用して良い → 使用してよい | |
副詞のうち、本来の意味がほとんど失われているもの | 凡そ | およそ | |
流石 | さすが | ||
是非 | ぜひ | ||
何故 | なぜ | ||
殆ど | ほとんど | ||
接頭辞の「御」(お・ご) | 御 | お | 御菓子 → お菓子 |
ご | 御加護 → ご加護 | ||
接尾辞(接尾語)のうち、本来の意味がほとんど失われているもの | 目 | め | 高目 → 高め |
当て字 | 誤魔化す | ごまかす | |
蒲公英 | タンポポ | ||
流行り | はやり | ||
沢山 | たくさん | ||
面倒 | めんどう | ||
関わらず | かかわらず(×拘らず) | ||
散りばめる | ちりばめる(×鏤める) |
以下は例外です。
例 | 仮名 | 用例または備考 | |
---|---|---|---|
接頭辞 | 御 | ぎょ | 御名(ぎょめい) → 天皇の名前 |
ご | 御所(ごしょ) → 天皇など位の高い人物の邸宅 | ||
御用達(ごようたし) → 宮中など格式あるところと取引すること | |||
み | 御名(みな) → 神の名前 | ||
接尾辞(接尾語) | 風 | ふう | 和風(わふう) → 2語で意味を持つ |
的 | てき | 感傷的(かんしょうてき) → 形容動詞を形成する | |
当て字 | 山車 | だし | |
眼鏡 | めがね |
仮名書きと漢字を使い分けるもの
以下は品詞・意味によって、仮名書きと漢字を使い分けます。
- 「等」 - 「とう」と音読みするとき(法律名など)は漢字、「など」と訓読みするときは仮名。
- 「従」 - 動詞で使う場合は漢字で「従う」、接続詞で使う場合は仮名で「したがって」。
- 例:父に従ってアメリカへ行くことにした。したがって、私はアメリカについて学び始めた。
- 「及」 - 動詞で使う場合は漢字で「及ぶ」、接続詞で使う場合は仮名で「および」。
- 例:AさんおよびBさんの行動によって、Cさんの生活に影響を及ぼす。
- 「致」 - 動詞で使う場合は漢字で「致す」、補助動詞で使う場合は仮名で「いたす」。
- 例:Aさんの努力に思いを致すことで、Bさんも努力するようお願いいたします。
- 「欲」 - 動詞で使う場合は漢字で「欲しい」、補助動詞で使う場合は仮名で「ほしい」。
- 例:あなたはこの車が本当に欲しいのか、よく考えてほしい。
- 「時」 - 名詞で使う場合は漢字で「時」、形式名詞で使う場合は仮名で「とき」。
- 例:時と場合により、嬉しいときと悲しいときがある。