プロジェクト:映画/映画作品スタイルガイド
この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインです。多くの利用者が基本的に同意しており、従うことが推奨されますが、方針ではありません。必要に応じて編集することは可能ですが、大きな変更を加える場合は、先にノートページで提案してください。 |
ここではプロジェクト:映画にある映画作品記事の書き方について述べます。このスタイルガイドの大部分は、個々の映画作品についての記事の書き方に関したものです。「基本的な内容」とは、映画記事に通常含まれるべき内容のことです。「派生的な内容」とは、映画記事には必ずしも一般的ではない内容のことです。この通りにすべて書かないといけないわけではなく、各見出し名や順番などは自由です。この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインであり、ウィキペディアの方針や参加者の合意など、必要に応じて変更が加えられる場合があります。そのほかのガイドラインについては、Wikipedia:スタイルマニュアルを参照してください。
立項の基準
[編集]一般的な特筆性に関するガイドラインには、「もし対象とは無関係な信頼できる二次情報源から有意な言及があった場合、その話題は単独記事としての収録基準を満たすことが推定され」るとあります。収録基準の詳細については、リンク先の文書を参照してください。映画に関係した主題の中には、このような基準すべてを満たさないものがあります。逆に、すべての基準を満たしていると推定される主題であっても、議論の結果得られた合意事項として単独記事としての資格を満たさないとされる場合もあります。
映画作品という主題の特筆性が満たされるのは、通常、劇場公開後になるので、映画の記事は劇場公開後に作成することを推奨します。 公開前の作品については、その映画がすでに撮影されていることが二次資料で確認できる場合にのみ作成することができます。記事の内容によっては、削除や統合の対象となることがあります。
記事名の付け方
[編集]- 作成しようとしている映画の名前がすでに映画以外の記事で使われている場合は、映画のタイトルの後に「_(映画)」を付けて曖昧さを回避してください。例:『影武者_(映画)』
- 作成しようとしている映画の名前がすでに別の映画記事で使用されている場合は、映画のタイトルの後に「_(xxxx年の映画)」を付けてください。例:『サイコ_(1960年の映画)』。すでに存在する映画記事にも改名を行って「_(xxxx年の映画)」を付けてください。
表記法
[編集]- 記事中の映画タイトルは二重括弧(『』)で囲みます。例:『乱』(らん)は、1985年に公開された黒澤明による映画作品である。
- 日本で劇場公開されていないがビデオグラムが発売されている映画作品については、「日本未公開」ではなく「日本では劇場未公開」、「日本ではDVD販売のみ」などと表記してください。
基本的な内容
[編集]導入部
[編集]導入部では、映画作品を紹介し、その映画に関して特筆すべき事柄を記事本文から要約します。最低でも、最初の一行でタイトル、公開年、通常よく分類されるジャンルを定義してください。最初の一行に製作国もあるのが理想的です。製作国が一意に定義できない場合は、一行目以降でその事情を説明してください。さらに、導入部第一段落では、監督と主演者を定義してください。著名な脚本家や製作者による作品の場合は、それも含めてください。原作がある場合は、その作品名と作者を明らかにしてください。可能であれば、物語のあらましとその中で俳優がどのような役柄を演じたのかも記述してください。
導入部第二段落以降では、第一段落では述べられていないが、記事本文で触れられている特筆すべき事柄を含めます。映画製作過程における重大な出来事や映画のテーマ、批評家や観衆による評価、興行成績と主要なランキング、論争、かいつまんだ受賞歴、翻案作品(リメイク、他の媒体での作品など)・スピン・オフ作品(続編、番外編など)、社会に対して多大な影響を与えた場合はその影響などです。中立的な観点を保つために、最初の一行に「大ヒット作品」などといった言葉を使うのは避けてください。その代わりに、導入部の後の方で文脈に即して受賞歴を要約します。
ストーリー
[編集]あらすじとは、「ストーリー」や「あらすじ」といった見出しのもとに記述される、自己完結的なプロットの要約であり、映画作品記事の中では、映画の製作、評価、テーマといった、より幅広いその作品の現実世界での位置づけを補うものです(WP:IINFOも参照)。映画作品記事の中では、その映画が主要な情報源なのであって、外部文献に拠らずに基本的な話のすじを記述することは認められています。WP:PSTSにあるとおり、一次資料を使用してよいのは、事実について率直な記述を行う場合のみであり、特殊な知識を持たない、普通の教育を受けた人が、その資料を参照して検証できる場合に限られます。映画作品記事ではその映画が主要な情報源であり、詳細はインフォボックスで確認できるので、映画が出典であることを明示する必要はありません。この例外には、公開前の映画や一般には内容が検証できない消失した映画が挙げられます。この場合は、二次資料を使ってください。
長編映画のあらすじの長さは、1,500字から2,500字の間であるべきです。この長さは超えるべきではありませんが、『パルプ・フィクション』のように時系列シャッフルを採用するなど、通常用いられない構造をもった作品や、プロットが複雑すぎてこの範囲ではまとめ切れない場合はこの限りではありません。あらすじがこの範囲に収まらないかどうかは、他の編集者と話し合って決めてください。複雑な作品の場合、二次資料に依拠して解説する必要があるかもしれません。その場合は、出典を明記してください。映画の中の出来事の分析に関して、二次資料の間で食い違いがある場合は、「ストーリー」節の中ではその出来事をスクリーンに現れたまま可能な限り簡潔に記述して、その出来事に関する解説は節を改めて紹介してください。最後に、映画の中の出来事は、それがスクリーンに登場した順序で記述する必要は必ずしもありません。必要であれば、プロットが分かりやすくなるように順序を入れ替えてください。
あらすじとは映画の中の主要な出来事を概観したものなのであって、台詞やシーンごとの解説、専門的な事柄は避けてください。その一方で、内容に関する免責事項とネタバレに関するガイドラインに従い、ネタバレは取り除かず、物語の核心を含めて記述してください。ウィキペディアの記事にはネタバレが含まれるという方針を尊重してください。
登場人物
[編集]登場人物を一覧にすることもできますが、登場人物に関する説明はリストにせずに「ストーリー」内で必要最小限に留めることが推奨されます。記述するのは主要な登場人物のみで、すべての人物を紹介するものではありません。主要登場人物ではないものも含む完全なキャストの一覧は映画のデータベースサイトにまかせましょう。それでも長いリストになった場合、「<<作品名>>の登場人物」に分割してください。登場人物名が難読な文字を含んでいる場合はWikipedia:表記ガイド#読み仮名に応じて適宜読み仮名を追加します。
; 登場人物名(読み仮名)(character name) : 演 - 俳優名、声 - 声優名 : 説明文
キャスト
[編集]その作品のキャストを紹介します。記述するのは主要な出演者のみで、すべての人物を紹介するものではありません。完全なキャストの一覧は映画のデータベースサイトにまかせましょう。原則として表を使ってはいけません(表のスタイルマニュアル参照)。実写作品の吹き替え声優を記す場合も同様です。アニメーション作品など、作品への貢献度の等しい複数のキャストが存在する場合に限り表を使うことができます。
* 出演者名 - 役名
または
* 役名: 出演者名
配役に関して説明が必要な場合は
* 役名: 出演者名 - 説明
スタッフ
[編集]主要スタッフを一覧にすることもできますが、リストにせずに「製作」節で文章で解説することが推奨されます。スタッフリストの完全な一覧は映画のデータベースサイトにまかせましょう。
* 担当名: 名前、名前
製作
[編集]「製作」節では映画がどのように製作されたかを時系列に沿って記述します。映画史における重要な作品など、出典が豊富にある場合、この節が「企画」「製作準備」「製作」「編集」といった複数の小見出しになることもあるでしょう。
封切り
[編集]映画公開に関する情報を、インフォボックスにある内容を必要に応じて補強しながら、記述します。
DVDリリース・翻案作品
[編集]その作品のリリースの詳細についてここで記述します。各国での公開時期の相違点や、DVD版の情報(コレクターズ・エディションなどの相違点)、ノベライズ作品の情報など。
また、リメイク作品がある場合はここに記述してください。(新たに小見出しを作成することを推奨)
作品の評価
[編集]その作品がどのような評価が受けたかを記述します。百科事典にとって欠かすことのできない重要な内容です。「映画批評家によるレビュー」、「興行成績」、「受賞歴」、「後の作品への影響」などをここに記述してください。十分な分量に達したら、それぞれ小見出しにするとよいでしょう。
出典・参考文献
[編集]記事にある映画の情報を読者が検証できるように、信頼できる情報源を出典として示してください。一般大衆によるコメントをAmazon.co.jpのカスタマーレビュー、インターネット・ムービー・データベースや個人のブログなどから引用してはいけません。なぜなら、それは自己公表された情報源であり、ウィキペディアでは専門性や信頼性が認められていないからです。
インライン形式
[編集]本文中で<ref></ref>を使用して引用した出典は、「脚注」に{{Reflist}}と書くだけでまとまります。(Help:脚注参照)
- 便利な出典テンプレート
- {{Cite book}} ---- 情報源が本の場合。
- {{Cite journal}} ---- 情報源が雑誌の場合。
- {{Cite news}} ---- 情報源が新聞やニュースサイトの記事の場合。
- {{Cite video}} ---- 情報源がDVDなどの場合。
- {{Cite web}} ---- 情報源がウェブサイトの場合。
参考文献
[編集]そのほか、記事を執筆する際に使用した文献を列記します。Wikipedia:レイアウトの指針#参考文献を参照してください。
関連項目
[編集]その作品に関連するウィキペディア項目への内部リンクのリスト。
* [[○○○]]
外部リンク
[編集]その作品に関連する外部サイトのリスト。個人のファンサイトをリンクしてはいけません。
* [http:// ○○○] ○○○の公式サイト
派生的な内容
[編集]ドキュメンタリー
[編集]ドキュメンタリー映画は、通常の映画とは少し異なる書き方が必要です。あらすじのかわりに、ドキュメンタリー映画のあらましを記述してください。その際、「ストーリー」節のガイドラインに従い、分析や解釈を交えずに、スクリーンに映し出されたままに描写してください。ドキュメンタリー映画は、現実世界の出来事や人物にまつわるものですから、関連したウィキペディアの記事へリンクするとよいでしょう。Wikipedia:記事どうしをつなぐを参照して、映画の主題と似通った主題ではなく、一致する主題の記事にリンクしてください。あるドキュメンタリー映画の特定の側面に関する二次資料が豊富にある場合は、それら二次資料の文脈に沿ってその側面を詳しく記述してもかまいません。たとえば、ある統計情報にまつわるドキュメンタリー映画に関する記事で、その統計情報を分析した二次資料があり、なおかつ、それが映画のあらましでは詳述されていない場合がこれに当たります。その場合は、「分析」節をつくって、そこにその映画からの統計情報や別の二次資料からの分析を記述してもかまいません。また、ドキュメンタリー映画の場合、映画批評家だけでなく、映画で取り上げられた主題の専門家が批評することがよくありますが、そのような映画批評家以外の専門家による評価も記事では引用することができます。政治的な論争など、映画の主題が論争を呼ぶものである場合は、「論争」節を参照してください。
論争
[編集]論争を扱った映画、論争自体は扱っていないが何かしらかの理由で論争を呼んでしまった映画を記述する際は、中立的な観点というウィキペディアの方針を再度確認してください。論争的な内容に関して他の編集者と議論が起きたときは、ウィキペディアにおける論争の解決法に従ってください。
中立的な観点にのっとって記事を書くためには、記事の構成に配慮することと限定的な観点を特別扱いしないことが大事です。記事の構成に配慮するということは、ある映画に対する見解が分かれているからといって、それらを記事の中で二箇所に別々に記述してお互いを無視したり、逆に攻撃しあったりしてはいけないということです。そのかわりに、論争の背景となる文脈を提供しつつ両者の見解を織り交ぜて中立的な記述を心がけてください。たとえば、歴史物の映画でその評価が分かれている場合、「歴史考証」という中立的な見出しのもと、その映画の歴史考証に関する映画製作者の意図や歴史学者による評価(肯定的なものや否定的なもの)を概観することができます。
限定的な観点を特別扱いしないということは、少数派の意見について、より広く普及している観点と同じように詳細な説明を加えるべきではなく、非常に広く受け入れられている観点とあたかも同じだけ注目に値するかのような書き方をするべきではないということです。ウィキペディアは、記事の中で論争するのではなく、記事の中で論争を記述することを目指します。ですから、論争を取り扱う場合は、その論争がすでに発表済みの信頼できる情報源で言及されていることが前提です。ある特定の観点が新聞や雑誌といった中立的な外部の情報源で検証できるからといって、直ちに記事で取り上げるのに値するとは限りません。それが特殊な内容できわめて限定した観点しか提供しないのであれば、記事の主題にとってたいした意味をもたないからです。ある映画が全体として論争を呼ぶものであれば、それは記事の大部分を用いて記述することになるでしょう。逆に、限定的な内容の批判は短くまとめてください。たとえば、あるホラー映画の宣伝ポスターに対してグロテスクすぎるという苦情が寄せられた場合、記事の「封切り」節で手短に言及するのに留めるべきです。
サウンドトラック
[編集]サウンドトラックとは映画音楽や作品に使用された音源のコンピレーション・アルバムのことを指します。映画製作に音楽が重要な位置を占めていた場合、記事の「製作」節に「音楽」という小見出しを作って記述してください。音楽がその作品にとってさほど重要でなければ、映画音楽や使用された音源に関する要約を記述するために「サウンドトラック」節を利用することもできます。表記法はプロジェクト:音楽#アルバムタイトルと曲名を囲む括弧のガイドラインに従い、アルバムタイトルは二重括弧(『』)で、曲名は二重引用("")か括弧(「」)で囲んでください。
* 曲目「xx」(歌: xx、作詞: xx、作曲: xx、編曲: xx) * アルバム『xx』([[レーベル会社名]])
コンピレーション・アルバムの場合、{{Infobox Album}}というテンプレートを使ってもよいでしょう。曲名とそのアーティストを表示するために曲目リストを作ることもできます。曲目リストには、{{Tracklist}}を利用してもよいでしょう。アルバムに独立した記事としての特筆性があるのであれば、別途記事を作成してください。映画音楽のために曲目リストを作ることは、一般的に推奨されません。なぜなら、映画音楽はたいてい一人で作曲されており、曲名は映画の一場面を短く表したにすぎないからです。映画音楽に特筆すべき曲目があれば、本文で詳述してください。
原作との違い
[編集]文学、演劇、ミュージカル、場合によっては別の映画など、他のフィクション作品を原作とする映画は数多くあります。映画製作者たちは映画作品にそのような素材を取り込む際、さまざまな理由から改変を加えます。なぜそのような改変が加えられたのか、それが映画製作にどのような影響を及ぼしたのか、関係者がそれにどのように反応したのか、などについては、本文中の適切な箇所に二次資料に基づいて詳細を記述してください。「原作」と「映像化作品」の比較など、一次資料から得られる情報のみであなた自身が分析・解釈などをした原作との違いは独自研究です。
百科事典にとって必要な現実世界の観点を欠いた、映画とその原作という二つのフィクション作品の単なる違いだけを記述することは避けてください。「原作との違い」というような見出しのもとに、箇条書きしかなかったり、二次資料による出典がなかったりするような節を作るべきではありません。ウィキペディアは情報を無差別に収集する場ではありません。書き始めの記事や封切られたばかりの映画についての記事では、原作との違いは一箇所にまとめて記述するしかないかもしれませんが、記事が育つのに従い、それらはそれぞれ関連した箇所に組み込まれるか、記事から完全に取り除かれるべきです。
歴史考証・科学考証
[編集]映画は一義的にはフィクションの産物ですが、映画製作者たちは歴史的事実や科学的知見を自分たちの作品に取り入れる場合があり、それはストーリー展開の必要性や撮影技法という制約に応じて行われます。歴史的事実や科学的知見がその映画にどのように取り込まれたかは「製作」節に、それがどのような反響を呼んだかは「作品の評価」節にそれぞれ記述してください。その映画の歴史考証や科学考証に言及している二次資料が豊富にあるのであれば、「歴史考証」や「科学考証」といった独立した小見出しを作ることを目指すとよいでしょう。
Wikipedia:独自研究は載せないという方針では、発表済みの情報の合成を戒めて、複数の情報源を組み合わせてそのいずれの情報源にもはっきりと明言されていない結論を導いてはならないとしています。映画の中に歴史的事実や科学的知見に厳密に基づいた描写があったり、あるいは逆にそれとはかけ離れた描写があることにはさまざまな理由がある、ということをウィキペディアの読者と編集者はまず知るべきです。ある映画の歴史考証や科学考証に関する分析は、その映画を歴史的事実や科学的知見と比較した信頼できる発表済みの二次資料に基づいて記述してください。二次資料を伴わずに歴史考証や科学考証の出来、不出来を単に羅列することは避けてください。それらはたいていの場合、映画という主題にとってたいした意味をもっていません。歴史考証や科学考証に関する資料が限られている場合は、映画の中で描かれた歴史的事実や科学的知見に関するウィキペディアの記事にリンクすることによって、映画という自由な表現手法を用いて描かれた事柄が実際にはどのような事実に基づいていたのか読者が知ることができるようにするとよいでしょう。