Wikipedia:曖昧さ回避
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ウィキペディアにおいて、内容が異なる主題なのに適切な記事名が同じになってしまうときに、それらを判別しやすくすることを曖昧さ回避(あいまいさかいひ、Disambiguation)と呼びます。また、Wikipedia:リダイレクトに基づいて目的となる記事へ転送を行う必要がある場合に、転送元に別の記事が存在していたり、転送先が複数になってしまうためにリダイレクトを設定することができず、内容が異なる複数の記事について判別が必要となる場合もこれに準じて扱います。曖昧さ回避の対象は、現存する独立した記事である事を必要としません。
曖昧さ回避が必要なもの
ウィキペディアでは、リンクを簡単に作ることができるのが特徴の一つです。編集ウィンドウで、リンクしたい名称を半角の大括弧(角括弧、ブラケット)で囲むとリンクが貼られます。実際には、[[スピード]]
と囲むと、スピードのようにリンクが表示されます。でも、このリンク先は速度について説明しているのでしょうか? それともトランプゲームの一種の「スピード」なのか、日本のボーカルダンスグループの「SPEED」なのか、アメリカ映画の『スピード』なのかその他のスピードかはっきりしません。リンク先に期待していたものと全く異なることが書かれていれば、読者はがっかりするかもしれません。このような場合には曖昧さ回避が必要となります。
記事名の競合
内容が異なる複数の記事についてWikipedia:記事名の付け方に基づく適切な記事名が同じになってしまう場合には曖昧さ回避を行う必要があります。
曖昧さ回避の方法はいくつかの種類に分かれます。
- 平等な曖昧さ回避
- 代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避
- 曖昧さ回避ページを別に作らないもの(1)Otherusesを使う方法
- 曖昧さ回避ページを別に作らないもの(2)Otheruseslistを使う方法
- 曖昧さ回避ページを別に作るもの
曖昧さ回避などの理由で括弧を利用する場合には、「項目名 (分野)」のように、項目名の後に「半角のスペース」ひとつ入れて、半角の括弧の中に分野名を記述してください。[[項目名 (分野)|]]
と入力すると自動的に[[項目名 (分野)|項目名]]
へと変換されます。なお、曖昧さ回避の案内先がウィキペディア日本語版のヘルプ文章やテンプレートなどの場合はTemplate:WikipediaPageを使用します。
平等な曖昧さ回避
「項目名 (分野)」のように、それぞれの言葉に分野名を付記した項目名で独立した記事にします。分野名を付記しない項目名のページは、独立させた「項目名 (分野)」の記事へのリンクの一覧を載せる曖昧さ回避ページにします。よく参照される項目とそれ以外の項目とであまり差があると考えられない場合に向いています。
曖昧さ回避ページにした記事には{{Aimai}}
を記述し、曖昧さ回避ページであることを表示してください。他の項目からリンクする場合はこの曖昧さ回避ページにはリンクせずに、独立させた「項目名 (分野)」へ直接リンクさせてください。
代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避
その「項目名」で最も代表的だと考えられるトピックにその名前を割り当て、それ以外のものを「項目名 (分野)」にします。代表的なトピックとしては、その「項目名」の起源・語源となっているトピックや、他と比べて圧倒的に参照されることの多いトピックが選ばれます。
代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避は、さらに、曖昧さ回避ページを別に作らないものと、曖昧さ回避ページを別に作るものに分かれます。
曖昧さ回避ページを別に作らないもの(1)Otherusesを使う方法
代表的なトピック以外の同名のページ、あるいは同名で呼ばれることの多いページが1つだけの場合には、Template:Otherusesを使い、
{{Otheruses|代表的なトピックの説明|別ページの説明|別ページ}}
と記述すると、以下のように表示されます。
元となる記事の事柄から派生した(たとえば記事のタイトルの頭に形容詞や固有名詞などが付いた)記事への案内にはTemplate:Forがあります。
曖昧さ回避ページを別に作らないもの(2)Otheruseslistを使う方法
代表的なトピック以外の同名のページ、あるいは同名で呼ばれることの多いページが2つ以上の場合には、Template:Otheruseslistを使い、
{{Otheruseslist|代表的なトピックの説明|別ページ1の説明|別ページ1|別ページ2の説明|別ページ2}}
と記述すると、以下のように表示されます。
曖昧さ回避ページを別に作るもの
代表的なトピックを「項目名」に書き、そのページの先頭に「項目名 (曖昧さ回避)」へのリンクを作ります。「項目名 (曖昧さ回避)」に他の意味のリンクを付け加えるものです。例えば、植物・果実のモモ(桃)はモモに執筆し、それ以外の「モモ」と呼ばれる項目(小説の『モモ』、料理の「モモ」など)はリンク先であるモモ (曖昧さ回避)に載せます。そして、「項目名 (曖昧さ回避)」のページには、{{Aimai}}の記述をして曖昧さ回避ページであることを表示してください。元の「項目名」のページには{{Aimai}}を付けないでください。
代表的なトピックへのリンクはそのままにしておきます。それ以外の項目へのリンクは、適切なページに直接行くように、作り替えてください。
リダイレクトの転送先や転送元の競合
Wikipedia:リダイレクトに基づいてあるページから目的となる別のページに転送すべきところで、転送元に既に別の記事が存在していたり、転送先が複数になってしまう場合があります。このような場合にはリダイレクトを設定することは困難ですから曖昧さ回避に準じて目的となる記事に誘導を行う必要があります。
例えば、スポーツのアメフトやバスケットは略語であり、それぞれアメリカンフットボールやバスケットボールに転送します。アメフトはそのままアメリカンフットボールにリダイレクトページから転送できます。しかし、これと同様の場面にもかかわらず、バスケットからは籠へも転送を行う必要があるため、リダイレクトページとすることができず、そのままではWikipedia:リダイレクトに定められた基準を実現することができません。そこで曖昧さ回避に準じて目的となる記事に誘導を行います。曖昧さ回避ページに通称や略称などが含まれているのはそのためです。
リンクすべき場合の基準については基本的にWikipedia:リダイレクトに定められており、曖昧さ回避では記事を判別するために有意義なものについてリンクを設定します。
転送先が複数となる場合
リダイレクトとすべき転送先が複数の記事になってしまう場合があります。
例えば、「盛岡」は盛岡市の略称として盛岡市に転送されています。同様に「千葉」は千葉市の略称として用いられますが、千葉県の略称[注 1]としても用いられるため、目的となる転送先のページが複数になってしまいリダイレクトは設定できません。このようにリダイレクトの転送先となるページが複数になるときは、転送元のページを各記事(転送先となる記事)へのリンクの一覧を載せた曖昧さ回避ページとして誘導します。
転送元が別の記事に使用されている場合
リダイレクトとすべき転送元に別の記事(項目名として使用されているページ)が存在していることがあります。例えば、エノキタケの略称である「エノキ」を転送元としてリダイレクトページにしようとすると、ニレ科の樹木であるエノキの記事とページが重複してしまうためリダイレクトを設定できません。このようにリダイレクトの転送元とすべきページに既に別の記事(項目名として使用されているページ)が存在する場合には、#代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避にある方法に準じて目的となる記事に誘導します。
曖昧さ回避の必要がないもの
読者が迷うおそれがない場合
曖昧さ回避は、読者が調べたいものを探す案内板のようなものですから、読者が迷う恐れがない場合には、曖昧さ回避にするべきではありません。曖昧さ回避がどれだけ必要かどうかは、読者がその言葉でその項目を探す可能性が大きいかどうか、また読者が探しているページへの誘導が簡単かどうかを総合的に判断してください。
ページの競合がみられないとき
曖昧さ回避は、あくまでも異なる内容のページを判別するためのものです。
その記事の内容に関連するもので特記すべき事項であれば同一の記事に適切な題名のセクションを作り、そこで言及すれば足ります。例として観音開き#派生用法やシャクンタラー (戯曲)#シャクンタラーをテーマにした音楽作品が挙げられます。
また、「基礎」のように、語義は複数あるものの、Wikipedia:独立記事作成の目安の観点から記事がそのうちの一つだけに成立する場合があります。このような場合にはそのままの記事名で執筆することが可能です。語義全般についてはウィクショナリーに(必要があれば執筆し)リンクしてください。
{{See Wiktionary|その記事が扱う主題の説明|ウィクショナリーのページ}}
と記述すると、以下のように表示されます。
廃止された方式
次にあげる「1ページに共存」,「山手線方式」と呼ばれる曖昧さ回避の方法は、以前に公式な方針とされていましたが現在は廃止された方法です。 これらの方法を発見した場合、現行の方式への切替えを推奨します。ただし必要に応じて対話を交えつつ慎重に作業を行ってください。
1ページに共存
1つのページに見出しを使って分けておく方法です。曖昧さ回避ページの一種として作成されたページですが、同音異義語事典の形式となっており、曖昧さ回避の本来の目的から逸脱しています(#曖昧さ回避ページを辞書にしないを参照)。同名であるだけの記事が同じページにあることで読者は不必要な情報を見る必要があります。そのためそれぞれの内容は分離します。
各項目に共通点のあるページ(例:政体、櫓、幕など)はこの方式にあたりません(#ページの競合がみられないときを参照)。
この形となっている記事の分割に当たっては、Wikipedia:ページの分割と統合を参考にしてください。
山手線方式
代表的なトピック(主題)を「項目名」に書き、それ以外のトピックを「項目名 (分野)」として、ページの先頭部分にリストアップするものです。代表的なものに山手線があったことから山手線方式と呼ばれます。このページは曖昧さ回避であるにもかかわらず{{Aimai}}のテンプレートを付すことが許されず、曖昧さ回避の管理の埒外に置かれてきました。この方式は多くの問題を抱えており、既に英語版では廃止されています。
どの曖昧さ回避を使うべきか
曖昧さ回避は、全ての場合について良いものというのは存在しません。曖昧さ回避すべき事柄同士の関係によって最適な方法が変わるでしょう。状況に応じて柔軟に対応してください。
地名などで複数のトピック間で優先順位をつけにくい場合や、どれを代表的なトピックにすべきか利用者間で対立がある場合には、「平等な曖昧さ回避」を使用するべきでしょう。この方法は「リンク元」機能を使って、曖昧さ回避のページへのリンクを除去しやすいという利点があります。しかし、王の2004年6月5日 (土) 06:55 の版のように、細切れで項目が作られやすく、項目間相互の関連性が見えにくくなって読者の理解を妨げる可能性もあります。
代表的なトピックとそうでないトピックとが明確な場合には、「代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避」を選択すべきでしょう。この方法は、最もリンクが集中するページへのリンクに特に修正をする必要がないため、読者が探していたものと異なるページへのリンクを少なくする利点があります。一方で、代表的なトピック以外からのリンクを修正する作業が困難になるケースもあることが判明しています(プロジェクト:曖昧さ回避#不適切な曖昧さ回避(カルメン・カレー問題))。また、平等な曖昧さ回避と比較して、説明の細分化が起こりにくい傾向があります。同じ名前をもつトピックの数が少ないときには、曖昧さ回避ページを作らずに別トピックへのリンクはページの先頭に記載し、トピックが3~4個以上になったときに曖昧さ回避ページを独立させるべきでしょう。
どの方法を使用するにしても、曖昧さ回避のページは読者に調べたい項目を選択させるものであるということを忘れないようにしてください。他の項目を提示するリストや「項目名 (曖昧さ回避)」へのリンクはページの先頭または第1段落の直後につけるべきです。
実際に解説を置く項目名
実際に解説を置く項目名にはいくつかの方法があります。
曖昧さ回避に載せていた名前と同等に使用される別名や正式名称がある場合には、それを使う方が望ましいでしょう。例えば、プログラミング言語のCならばC言語を、お金という意味の「金」ならば貨幣を項目名にしましょう。
他に適切な別名がない場合には、「項目名 (分野)」のように、項目名の後に半角括弧で分野や分類を表す語を付け加えます。例えば、プログラミング言語の一つである「ひまわり」ならば、ひまわり (プログラミング言語)のようにします。
例外的に、修飾語を伴った項目名を使用できます。項目名に修飾語を使う場合には、括弧を使わないようにしてください。修飾語を伴うものと分野名を用いたものとの両方が使える場合には、どちらを使っても構いません。片方を執筆し、もう片方をリダイレクトにすることが普通です。また、複雑な名前よりも単純な名前の方が望ましいでしょう。例えば「憲法の改正についての議論」よりも「憲法改正論議」のほうが、ふさわしいでしょう。
曖昧さ回避のための括弧内に「コンテクスト」(文章的記述)を使用するような特別な状況とは、架空の登場人物のように、その「コンテクスト」が創作物である場合です。しかし、架空の登場人物についてのわずかな記事の項目を多数作ることは、ウィキペディアでは認められていません(Wikipedia:素晴らしい記事を書くには#フィクションを明確に区別を参照)。もしも、曖昧さ回避をする際に、一般的な用語にするか、コンテクストを付け加えたものにするか迷ったときには、単純な方を選んでください。例えば、「神話上の人物」よりは「神話」を選んでください。
括弧内の語句についても、記事名に準じた基準で決めるべきです。詳細は、Wikipedia:記事名の付け方やWikipedia‐ノート:記事名の付け方を参照してください。
曖昧さ回避ページ
曖昧さ回避ページは#曖昧さ回避が必要なものを一覧にしているページです。曖昧さ回避ページ自体のページ名の付け方には複数の方法があります。#平等な曖昧さ回避を採用する場合は括弧を付けない「項目名」というページ名にして、代表的なトピックを中心とする曖昧さ回避で曖昧さ回避ページを別に作るものを採用する場合は「 (曖昧さ回避)」を付ける「項目名 (曖昧さ回避)」というページ名にします。
曖昧さ回避ページの構成
曖昧さ回避ページの冒頭にはページ名を記載します。ページ名は太字で強調表示してください(例:'''ページ名'''
)。リンク先となる各記事は箇条書きを用いて列挙します。
曖昧さ回避ページであることを読者に知らせるため、{{Aimai}}タグを曖昧さ回避ページの最下部に貼ってください。
なお、以下の特定の分野のみの曖昧さ回避の場合は、それぞれ専用のテンプレートがありますので、これらを{{Aimai}}の代わりに使用してください。
- 人名の曖昧さ回避のみのページは{{人名の曖昧さ回避}}
- 地名の曖昧さ回避のみのページは{{地名の曖昧さ回避}}
- 山名の曖昧さ回避のみのページは{{山の曖昧さ回避}}
- 学校名の曖昧さ回避のみのページは{{学校名の曖昧さ回避}}
ただし、これらのページが特定の分野以外を含む曖昧さ回避ページとなった場合には、{{Aimai}}に貼り替えてください。