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Science

2024年パリ五輪の紫色のトラック、その秘密の材料とは

パリ2024オリンピックの陸上競技用トラックは、東京大会に引き続き、イタリアの企業「Mondo」が開発している。今回はサステナビリティへの取り組みの一環として、地中海の貝殻をリサイクルしてつくられているという。

ドラゴンが炎を吐く仕組みを、生物学と化学の視点から妄想してみた

小説『氷と炎の歌』やドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」をはじめ、数多くのファンタジー作品に登場するドラゴンという架空の生物は、世界中の人々を魅了し続けてきた。そんなドラゴンはどうやって口から炎を吐き出すのか──。そんな疑問に真剣に向き合った科学者がいる。

ヒトのiPS細胞からつくる“ミニ脳”は、超省エネなCPUを実現する可能性を秘めている

iPS細胞から“ミニ脳”をつくり、プロセッサーとして活用する試みが進行中だ。スイスのスタートアップが開発した世界初の「バイオプロセッサー」は従来のシリコン製の100万分の1の電力で動作するといい、超省エネなCPUを実現する可能性を秘めている。

アラスカの氷河が5倍速で融解している:研究結果

アラスカ南東部に広がるジュノー氷原が半世紀前と比べて5倍の速度で融解していることが、最新の研究で明らかになった。このままでは従来の予測よりも早い段階で後戻りできない臨界点に達する可能性がある。

ヒトの細胞からつくられる「バイオボット」が未来の医療を切り開く

生物の細胞からロボットをつくる──。そんなSFのような研究が進んでいる。ヒトの細胞をからつくられた「アンスロボット」は、個人の体質や病気に合わせた究極の個別化医療を実現させるかもしれない。

暗黒の深海に「酸素」の発生源、その光合成ではない驚きのメカニズム

光が届かない水深4,000mという暗黒の深海において、酸素の発生を確認したことを英国の研究チームが論文で発表した。この光合成生物によらない酸素は、なんと鉱物によって生み出されていたというのだ。

ダンサーには社交的な人が多い:研究結果

日常的に人前で踊っているダンサーは、ダンスとは無縁の人よりも開放的で協調性があり、外向的な性格をもつ傾向にあることがわかった。さらに、神経質な人も少ないという。
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灼熱の都市で日陰をつくる木々が深刻なダメージを受けている

急激に気温が上がっていく世界にあって、都市には木陰を増やしてくれる木々がもっと必要だ。だが灼熱地獄ともいえる気温に対処できるのは、ごく一部の種に限られる。そしてたいていの場合、それはもはや地域の固有種ではない。

世界に衝撃を与えた潜水艇「タイタン」の事故──独占取材で明らかになった不穏な内情

OceanGateの潜水艇が圧壊してから1年超が経過した。CEOが深海に眠る「タイタニック」を目指して計画を進めるなかで、コストを削減し、警告を無視し、嘘をつき、命を犠牲にしたことが、数多くの資料や元従業員らの証言から明らかになってきた。

使用済みバッテリーを“原材料”として再利用せよ:米国政府が強化するリサイクル計画の狙い

古いスマートフォンやPCなどのバッテリーをリサイクルすべく、米国政府が全米1,000カ所の回収拠点に1,400万ドルを拠出するプログラムを発表した。新しいバッテリーを生産するための貴重な原材料として、古いバッテリーを再活用する狙いがある。

新型コロナウイルスの新たな変異株「KP.3」について知っておくべきこと

新型コロナウイルスの新たな変異株「KP.3」の感染が急速に拡大している。オミクロン株の亜系統「JN.1」の子孫として誕生した「FLiRT」と呼ばれる変異株の一種で、これまで主流だった変異株よりも強い感染力をもち、ワクチンによる抗体を回避する能力も有している。

オリンピック開催を前に、パリ市長がセーヌ川で泳いだ「本当の目的」

オリンピックの開催を控えたパリで、市長のアンヌ・イダルゴがセーヌ川で“泳ぐ”というパフォーマンスをした。「川で泳げるようにする」という市長の目標は水泳競技のための短期的ものではなく、川を抜本的に浄化して再生することにある。

培養肉をペットフードの原料に。英国のスタートアップが世界初の認可

ニワトリの細胞を培養してペットフード用に製造すべく、英国のスタートアップが規制当局から認可を受けた。これは実験室で培養されたペットフードの原材料が認可された世界初の事例となる。

月の地下に見つかった“空洞”は、月面探査に役立つかもしれない

月の地下に洞窟のような空洞が存在することを示す研究結果を、このほどイタリアのトレント大学が率いる国際研究チームが発表した。この発見は、将来の月面基地建設にとって極めて重要なものになるかもしれない。

肥満症治療薬「オゼンピック」で誰もが痩せるわけではない。いったいなぜなのか?

肥満症治療薬として使われるGLP-1受容体作動薬「オゼンピック」「ウゴービ」を使用する患者のなかには、ほとんど減量効果が見られない患者もいる。その原因を研究者たちは解明しようとしているが、いったいなぜなのだろうか?

古代ローマの墓から発見された「謎の液体」は、世界最古のワインだった

2019年にスペインのカルモナで発見された古代ローマの霊廟から、謎の液体で満たされたガラスの骨壺が発見された。化学分析したところ、その正体が実は2000年前につくられた世界最古のワインであることが明らかになった。

「老い」は不可避ではない? ノーベル賞学者が語る“若返り”研究の現在と、わたしたちができること

老化には生物学的な根拠が存在すると考えられている。これに対してノーベル化学賞を受賞した生物学者のヴェンカトラマン・ラマクリシュナンは、老化は不可避ではなく、生態を変えることで限界を突破できるかもしれないと説く。

「天井が高い部屋」では試験の成績が落ちる:研究結果

広々とした大教室や体育館で実施される試験になると、なぜか本来の実力を発揮できないと感じたことはないだろうか。最新の研究によると、その原因は天井の高さにあるという。

人間への脳インプラントは新たな段階へ。ニューラリンクが明かした「2人目以降」の手術計画が目指していること

脳とコンピューターをつなぐインターフェイス(BCI)を開発しているニューラリンクが、2人目の被験者に脳インプラント手術を実施する計画を明らかにした。イーロン・マスクによると、手術には改良された装置が用いられるほか、次世代インプラントの開発も進んでいるという。

干ばつに見舞われた南米のエクアドルで、水力発電が“機能不全”に追い込まれた

干ばつに見舞われた南米のエクアドルでダムの貯水量が減少し、水力発電が断続的に運転停止に追い込まれた。気候変動の影響で天候の予測が難しくなるなか、こうした事態は他の国にとっても人ごとではない。

XPRIZEの生物多様性コンテスト、決勝進出の“生物模倣ドローン”とは?

熱帯生物多様性のモニタリングを迅速化する新しいテクノロジーの開発に挑むコンペティション「XPRIZE Rainforest」。7月にブラジルで開催される決勝への進出が決まったスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)のチームにインタビューした。

チョウの群れが大西洋を横断、その4,200km以上もの“長旅”の秘密が解き明かされた

本来なら南米に生息していないはずのチョウが、なぜ南米で見つかったのか──。この謎を昆虫学者が約10年かけて研究したところ、実はアフリカ大陸から大西洋をノンストップで横断してきたことが明らかになった。4,200kmもの長旅は、いかに実現したのか?

不健康な食生活が、うつ病や不安を引き起こす:研究結果

不健康な食生活が、うつ病や不安障害といった精神疾患を引き起こす可能性があることが、新たな研究で明らかになった。糖や飽和脂肪に偏った食事が脳の前頭前野における灰白質の体積を減少させ、神経伝達の不均衡を引き起こすというのだ。

栄養豊富な“奇跡の野菜”ジャガイモ──その凋落が止まらない

ジャガイモは驚くほど優れた野菜だ。ところが、米国のジャガイモ消費量はかつてない勢いで減り続け、生のジャガイモは大量に冷凍加工されている(その重要な輸出先のひとつが日本だ)。フライドポテトに偏ったジャガイモのイメージを一新すべきときがきた。

『ジュラシック・パーク』にヒント。DNAやデータをガラス状ポリマーに長期保存する技術、米国の研究チームが開発

映画『ジュラシック・パーク』からヒントを得た研究者たちが、DNAを常温で長期保存できる琥珀のようなポリマーを開発した。データの保存に応用することも可能で、あらゆる情報を半永久的に保存できる未来のストレージとなる可能性を秘めている。
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現代の “知の巨人” バーツラフ・シュミルと「すべてを疑う」ことの価値

『Numbers Don't Lie』や『Invention and Innovation』など数々の著作で知られるバーツラフ・シュミルが新著『SIZE』を刊行した。実証可能な事実を重んじる昔気質の科学者が、地球環境をめぐる破滅予測とテクノロジー楽観主義について語る。

キリンの首が長い理由に新説、実はメスが「食欲旺盛」だからだった:研究結果

キリンの首が長く進化した理由についての従来の仮説に、進化遺伝学の研究者たちが異議を唱えている。新たな研究結果は、メスが妊娠期や授乳期を迎える際に生じる栄養への旺盛な需要が、著しい首の成長を促した可能性が高いことを示唆している。

美しき星の絶景を映し出す宇宙の「目」が、かくもスイス製である理由

衛星軌道上にある探査機「トレース・ガス・オービター」から送信される、息をのむほどに美しい火星の風景。火星探査計画「エクソマーズ」における高度な科学ミッションを遂行する、人類最高峰の宇宙の「目」はどのようにして開発されたのか。スイス・ベルン大学の研究開発現場に迫る。
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先生、「空間」は何次元ですか!? ── 理論物理学者・野村泰紀に訊く素粒子〜宇宙スケールで捉える「空間」の正体

雑誌『WIRED』日本版VOL.53では総力を挙げて「空間」×「コンピューティング」の可能性を掘り下げているが、肝心の「空間」自体は、どう定義すればいいのだろう。生半可な掘り下げでは、生焼けになることは目に見えている。ここはぜひ、当代屈指の理論物理学者の叡智に与りたい。というわけで、米国・カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)物理学部棟の4階にある、野村泰紀のオフィスを訪れた。野村先生、「空間」とは一体、何なのでしょうか?
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人新世は存在しない? 新しい地質年代をめぐる「世紀の大論争」

わたしたちが生きているのは、人間が地球に多大な影響を与える新しい時代、「人新世」だと科学者もジャーナリストも芸術家もよく言う。ところが今春、この時代区分を一流の地質学者たちは否決した。その背景をレポートする。

CO2だけではない。削減が必要なもうひとつの“炭素”とは

二酸化炭素と違い、気候変動対策の議論で言及されることが少ない「ブラックカーボン」。山火事の煙に大量に含まれるこの炭素は人間の健康を脅かすだけでなく、北極を黒い微粒子で覆い、太陽光の反射率を下げて雪や氷の融解を促すことで、地球温暖化を加速させている。

AIを搭載した超小型衛星が、宇宙から山火事を見つけ出す

人工衛星にAIを搭載して画像解析とデータ圧縮を宇宙で実行させることで、従来より500倍も速く森林火災を検出できる技術をオーストラリアの科学者たちが開発した。山火事の早期発見だけでなく、他の自然災害の早期警戒システムとしても役立つことが期待されている。

合成された人工血小板が、わたしたちの命を救う日がやってくる

血液の凝固を促すことで傷などを治癒させる血小板。保存期間が短いことが課題だったが、米国の研究チームは長期間の保存が可能な人工合成の血小板代替物の開発に成功した。
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世界の数理モデル化はどこまで可能か?

選挙から経済、気候、コロナウイルスまで、世界のあらゆる事象はモデル化されてきた。いまや人工知能のエンジンとしても、あるいは空間コンピューティングや世界のデジタルツインのためにもますます重要となる統計的モデリングの可能性と限界を考える。

CRISPRで風味改良された“ゲノム編集サラダ”、今秋一般向け展開も

カラシナは栄養価は高いが、辛味と苦味が強い葉物野菜だ。そこで、ゲノム編集技術「CRISPR」を使い、栄養価はそのままに風味を抑え、食べやすくしたカラシナが開発された。このカラシナは、早ければ2024年秋頃から米国で一般消費者向けに流通する見通しだ。
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植物が自ら窒素を固定、夢の「自己肥料化作物」は実現するか

窒素は生命に不可欠であり、空気中の78%を占めるにもかかわらず、動物も植物も自らそのまま摂取することができない。生物学者は長年にわたり、窒素固定菌を介さずとも空気から直接窒素を摂取する作物を育てようとしている。

打ち上げに成功したボーイングの宇宙船「スターライナー」が、今後の宇宙開発にもたらすこと

ボーイングの有人宇宙船「Starliner(スターライナー)」による初の有人試験飛行の打ち上げが、6月5日午前(米国時間)に成功した。この新しい宇宙船には、国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了後も見据えた輸送手段としての重要な役割が期待されている。

脳インプラント装着で「マルチタスキング」──ニューラリンク初の被験者に訊く

イーロン・マスクのニューラリンクが開発したブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)。その被験者第1号となった30歳の男性に、考えるだけでコンピュータを動かす体験と、四肢にまひがありながら自立する実感について語ってもらった。

電気の力で味を増幅、「エレキソルト スプーン」が味覚の“常識”を変える

微弱な電流によって味を増幅する「エレキソルト スプーン」が5月20日に発売された。減塩食の塩分の量が控えめのままおいしく食べられるという、このスプーン。電気で増幅された味とはいかなるものか、さっそく体験してみた。

脳とコンピューターをつなぐ技術が中国でも進展、浮かび上がる懸念点

ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)に関する技術で、中国は米国に追いつきつつあるという。ただし欧米とは異なり、中国では健康な人の認知機能強化という、医療以外の目的での研究も進んでいるようだ。

鳥インフルエンザが米国でどれほど広まったのか、誰も知らない

今春、鳥インフルエンザが米国で拡がったが、専門家は感染状況がかなり過小に見積もられている可能性が高いと指摘する。米国では酪農家が牛を検査して報告するメリットがあまりない上に、酪農場では不法労働者が数多く働いていることが、状況把握を困難にしている。

緑化された屋上で雨水も回収、「ブルーグリーンルーフ」の可能性

オランダのアムステルダムでは、屋上で植物を育てるだけでなく、住人の生活用水を確保する場所として活用するための実験が進んでいる。“絞って使える”未来型スポンジシティの登場だ。

肥満症治療薬「ウゴービ」による体重の減少は4年間持続する:研究結果

肥満治療薬「ウゴービ」の注射を週に1回続けた場合、最大で4年間体重を減らす効果が続くことが、長期的な臨床試験によって示された。しかし、患者が薬の投与を中止した場合、効果がどれだけ続くのかはまだわかっていない。

陽子に光子をぶつけて内部構造を探索、その革新的実験が解き明かすもの

光を用いて重力を擬装するという長らく有望視されてきた実験によって、原子を構成する陽子内部のエネルギーや力や圧力の分布が初めて明かされつつある。

今夏に予測される「巨大ハリケーン」、その発生のメカニズム

2024年の夏は北大西洋上に11のハリケーンが発生し、そのうち5つが大型化するという予測を、研究者グループが発表している。夏の嵐が危険な巨大ハリケーンへと急変する背景には、止まらない海洋の温暖化やラニーニャ現象がある。

都市に樹木を植えれば猛暑による死者を減らすことができる:研究結果

木々がつくる日陰は、温暖化が進む都市部に大きな冷却効果をもたらしてくれる。最新の研究によると、ロサンゼルスでは樹木を増やすなどの対策によって、暑さに起因する救急搬送の数を現在の3分の2にまで減らせるかもしれないという。

ラボでつくられた培養チキン、世界初の店頭販売がスタート。ただし、動物細胞の比率は3%

ラボでつくられた培養肉の店頭販売が、世界で初めてシンガポールで始まった。この“培養チキン”には動物細胞が3%しか含まれていないが、果たして受け入れられるのか。