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    オンライン時代で患者増 自助グループが回復の鍵  ギャンブル依存症

    2024年09月10日 00時00分
     米大リーグ、大谷翔平選手の元通訳の事件で注目を集めたギャンブル依存症。酒やたばこなどと並んで以前からある依存症だが、スマートフォンで賭けられるオンラインギャンブルの広がりや新型コロナウイルスによる巣ごもり需要で近年、大学生も含めた若い男性の依存者が増え、関係者は警戒感を強めている。回復には自助グループにつながるのが最善の道だという。
     
     
     

     

     ▽ドーパミン
     「アルコールや薬物と同じように脳に快感をもたらす神経伝達物質ドーパミンの働きで行動がコントロールできなくなる。意思の弱さや道徳観の欠如の問題ではなく、国際的に病気と認められている」と説明するのは、依存症に詳しい久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の松崎尊信医師。
     症状の特徴は「興奮を得たいために、賭け金を増やす」「ギャンブルを減らしたり中止したりするといらいらする」「のめり込みを隠すためにうそをつく」などで、米国精神医学会の基準に基づいて診断する。
     同センターの診療実績によると、コロナ禍前の2019年の患者数は796人だったが、21年は954人、22年は1083人、23年は1173人と、増加傾向にある。
     ▽助言と希望
     東京都在住の60代女性の息子が競馬にのめり込んだのは、大学時代に友人に誘われたのがきっかけ。社会人2年目で会社から無断欠勤していると連絡があり、発覚した。
     社宅に残された通帳には毎日のように数千円の引き落としがあり、残金は136円だった。後に連絡がついた息子は当初、借金は50万円と言っていたが、本当は390万円だった。クレジットカード会社6社から借金をしていた。
     息子と2人で地域の精神保健福祉センターで面談を受け、家族会と自助グループを紹介された。その後、依存症専門病院に10カ月入院した。
     自助グループでは、ギャンブル依存症の経験者から直接、借金の解決や仕事・家族との向き合い方などあらゆる問題の具体的な助言を受けられた。立ち直りつつある当事者の姿を目の当たりにし、回復への希望を持てたようだという。
     この女性によると、息子は「コロナ禍で人と会えなくなったことが大きい。することがなくなり、スマホで気楽にできるギャンブルにはまった」と振り返っていた。
     
    取材に応じる「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表=東京都中央区
    取材に応じる「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表=東京都中央区

     

     ▽共依存
     10年来、当事者や家族の相談に乗り、時には出向いて救出に奔走してきた「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は、回復に向かうために家族が守るべき前提として、①借金の尻拭いをしない②金銭管理をしない③干渉・監視しない―などを挙げる。
     ギャンブルにはまる子どもらを心配する家族は逆のことをしがちだが、患者本人が問題に直面し、解決に踏み出すのに必要なだけでなく、家族も振り回される「共依存」という状態に陥るのを避けることにもつながる。
     
     
     

     

     田中さんによると、回復への最善の一歩は自助グループにつながることだという。医療機関は、依存症に伴う抑うつや不眠、自殺願望などがある場合に有用だが、ギャンブル依存症に対応できる医療機関は多くはない。
     自助グループには、ギャンブル依存症者が匿名で集会に参加できる「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」や家族・友人向けの「ギャマノン」、滞在型の回復施設が含まれ、これらの団体と連携する「全国ギャンブル依存症家族の会」や「考える会」が相談会の開催や情報提供をしている。
     「今やスマホ1台でできるオンラインギャンブルであっという間に依存症になってしまう」と田中さんは深刻さを訴えている。(共同=戸部大)
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